亀の恩返しは竜宮城じゃなかった⁉
スイス発祥スポーツブランド【On(オン)公式】夫は今まで生き物を飼った経験がなかったそうだ。
私が愛亀に話しかけながらエサをあげている姿を見て、〈ヤバイやつ〉呼ばわりしていた。
亀だって、話しかければちゃんと聞いているし、名前だって覚えてるんだからー、と教えてあげても鼻で笑われていた。(分からない人にはバカげた光景なのか…)
そのアカミミガメは、長男が小学2年生のときに、学校の理科室で飼われていた亀だった。(らしい)
学校で飼えなくなったのか、引き取ってくれるお家を探している、と聞いた息子は帰宅するなり、
「ねぇ、おかあさ~ん、カメ飼ってもいいでしょー?」
とせがんできた。
私は子供のころ、イシガメを飼っていた経験があったので、
「いいよ、連れておいで」
と言ってあげることが出来た。
そして無事にうちの子としてお迎えすることができて、〈かめごろう〉と名付けた。
このかめごろうは、うちの家族になってから9年間病気もせず、3度の冬眠も経験させていた。冬眠から目覚めるときタイミングが合わないと、そのまま亡くなってしまうリスクもあると聞いてからは、水槽にヒーターを入れたり部屋を暖かくして冬眠はさせませんでした。
2度の引越しもしましたが、いつも一緒でした。
かめごろうの日当たりや水温を気にして、水槽を置く場所を決めていました。
うちの大切な家族の一員でした。
そんな元気だったかめごろうがある日の朝、
「おはよ~!」
といつものように声をかけると、水槽の中で動かなくなっていました。
えっ…?
言葉を失いました。
震える手で、かめごろうを水槽から出して、タオルで包み
かめごろうー!!!
かめごろー!!!
と何度も呼びましたが、もう動くことはありませんでした。
何の兆候もなかったし、あまりにも突然すぎて、悲しくてかなしくて涙が止まりませんでした。
〖その日の夜18時40分、父が癌で亡くなりました〗
もう危ないとは聞いていたので、ある程度心の準備は出来ていました。
母と私は毎日父の病院へ通っていたけど、ちょうどその日は息子たちもおじいちゃんに会いに行く予定の日でした。兄も仕事終わりに来てくれる日だった。
父は意識のない中で、みんなが来てくれるのを待っていたかのように、その後すぐに旅立っていったのです。
私は確信しました!
父が最期に家族みんなに会えるようにと、かめごろうが自分の命と引き換えに、父の命をその日の夜まで延ばしてくれたんだと。
これを夫に話したら、またまた呆れた顔をされましたが、私は今でもそう信じているのです(*^^*)
ー亀の恩返しー