親の介護についてのとらえ方
Amazonアカウントで簡単申込【リコマース宅配買取サービス】私の職業が介護福祉士なのもあってか、母は「あなたがいるから安心だよ」といつも言っていた。
父が他界してから、少しずつ認知症の症状が出てきた母が心配で、私は週に3回くらい様子を見に行っていた。
脳梗塞を2度発症している。
脳動脈瘤もある。
それなのに、お酒はやめられない母。
ワインとストロング系チューハイが好きで、毎日の晩酌が唯一の楽しみになっていた。
やめられないなら、せめてもう少しアルコール度数の低いものにするように話すと、それ以降隠れて飲むようになっていった。
やがて、病院の先生の話しを理解出来なくなってきたので、通院時は毎回付き添いが必要になっていった。
連れて行かないと、病院へは行かなくなった。
兄は、仕事があるから休めないと言う。
毎回、私が休みの日に通院を入れたり、都合をつけて連れて行っていた。
内科、整形外科、脳外科...
手術の時、立ち合いくらいは来てほしい、と兄に頼んだら、半休を取って来てくれた。
そして、「俺は今後、お母さんの事で有休を使う気はない」と言ってきた。
以前に母が(私は年取ってもあんたに面倒みてもらわなくていいから!)と兄にひどい言い方をしたそうで、その時のことを言い出した。
母と兄は強情っ張りなところが似ているのだ。
「だからお前も(私)、お母さんの面倒見るのが大変なら見なきゃいい」、と言ってきた。
「お前が手を出し過ぎるから、お母さんが依存してくるんだ、自分でやらせればいいんだ」と言われた。
身内だからこそ、その時の感情をそのままぶつけてくる。
全くの他人から言われる言葉と違って、兄から発せられる言葉は、私にとって深く深く傷つく。
私は母が好きだ。
きっと、兄も母のことを好きだと思う。
しかし、表現方法が違うんだと思った。
たまにしか訪れない兄の目には、(母はまだ大丈夫じゃないか!)と映っていたのだろうか?
いつもボケている訳じゃなく、私の話しをよく聞いてくれて、相談にも乗ってくれたり、心配もしてくれる。優しいお母さんのときもある。
自分の親の事になると、まともな時の方を信じるだろう。
いや、信じたい!と思うのが身内だろう。
施設へ入ることが決まると、兄は、ここまで母の状態が進んでいるとは思わなかったと言った。
私があれだけ、何度も、状況を説明しても、現実として受け止めてくれなかったのに。
私は、母のお世話は義務とかじゃなく、母の事が好きだから、ほっとけなくて頑張っていた。
兄には、そんな母の現状を共有し、共感して欲しかった。
変わっていく母の現実を、私一人で受け止めるには、辛かったから。
兄と私は、親の介護についての、とらえ方が違ったんだと思った。
親を想う気持ちは変わらないと思うのに。
親の介護は兄弟で役割分担を決めておくのが良い、と世間ではよく言われているが、兄弟それぞれ考え方やとらえ方がちがうので、実際には上手くいかないことの方が多いようだ。
残念ながら、うちでもそれは通用しなかった…