認知症の人の「なんでも捨てちゃう癖」

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介護福祉士として

認知症の人の「収集癖」と「捨てちゃう癖」

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認知症の人が、ティッシュなどの紙類に執着をして収集している姿を何度も見たことがあります。
紙類に限らず、その人が固執する「何か」を収集することにより、安心感のようなものを得るのだと聞きました。

しかーーーーし💦 Aさんはその逆でした😖

ご自分のお部屋の中にあるものを次々と廊下やベランダへ捨てて(放り投げて)しまうのです。

廊下には、Aさんの洋服やタオル、掛け布団、ゴミ箱、ローボード、テレビまでもが放り投げられ散乱していました。
「また始まったか、、、」、職員は慌てて『現場』へ駆け付けます。

見た目は小柄で普通のおばあさんなのに、重そうなテレビまでいとも簡単に持ち上げるのです。どこにそんな怪力があるのか??と不思議に思ってしまいます。

ご本人に理由を聞いてみても、「いらないから捨てた」と答えるのみ😩

いるものと要らないものの区別がつかなくなるというのは認知症の症状の1つとしてありますが、ため込むのではなくて何でもかんでも捨ててしまうっていうのは少ないケースのようです。

廊下は他の入居者も歩いています。
車椅子の人や歩行器を使って歩く練習をしている方もいます。
その廊下に物が散乱していたら邪魔になるだけではなく、事故につながります。
放り投げている時に他の人に物が当たってしまう危険性だってあるのです。
ご本人も周りの人もケガをする可能性があります。

※もちろん、他人に対して暴力的に物を投げつけたりするようであれば話は別で、薬物療法を受けて頂くなどの必要がありますけどね。

私たち職員は24時間監視していられる訳ではありませんが、情報を共有してその人の行動を常に把握できるように努力していました。

ここでやっかいなのが、他の人にとっては「問題行動」に見えることも、認知症の人にとってそれは意味のある行動」なんだそうです。

認知症が進むと、自分の意見や気持ちを整理することも相手に伝えることも難しくなっていきます。
ご自身の中でいろんな葛藤があり、その中で自分という人格を守るために対処しようとした結果、「問題行動」と言われるアクションを起こしてしまうことも多くあるようです。
私たちには想像もできない思いや不安などを認知症の患者さんたちは抱えていることがあるのですね。 

その思いに気付いて、共感してあげられる接し方をすれば、少しは安心して穏やかに過ごせる日が多くなっていくんじゃないかなぁと私は信じています。

だって、その「問題行動」はご本人にとって「意味のある行動」なのですから。

(※最近は「問題行動」と表現しないようになってきているようで、現在では「周辺症状(BPSD)」と呼ばれているそうです)

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