父の暴力とキンモクセイの匂い

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親の介護

金木犀のいい香りがしてくるこの時期になると、幼少期の苦い記憶がよみがえってきます。
あれは私が小学校低学年、7、8歳頃のことだったと思います。

その頃の父は泥酔して帰宅することがたびたびありました。
酔っぱらった父とそれに怒った母がしょっちゅう言い争いをしていたのを鮮明に覚えています。
母も言い出したら止まらない性格なので、酔ってる父に食ってかかっていき、さらに父を激怒させ、最後は父に殴られてしまい、それでも泣きわめきながら反撃していた母の姿を覚えています。

夜中に父と母が言い争いをしている大きな声が聞こえてくるのは怖かったけど、それ以上に、酔った父が激怒して母を殴る姿を見るのは恐怖だったのを覚えています。

母は、
「なんであんたたちは見てるだけで止めてくれないのよ!よその子はお母さんが叩かれてたら助けてくれるんだよ!!」
と私たち兄妹にむかってその怒りをぶつけてくることもありました。
幼い私は怖くて言葉も出なかったけど、
(母を助けてあげられなかった私はひどい娘なんだ)と母に申し訳なく思っていました。
今考えるとひどいとばっちりですよね。。。

ある日の朝、私と兄が大切にしていた「人生ゲーム」を入れる箱のフタがなくなっていることに気が付きました。
母に聞いてみたら、酔っ払って帰ってきた父が、その箱のフタの中に嘔吐したから外に捨てたわよ!と言われました😱

実際、どういう経緯で父がフタの中に嘔吐したのかは分かりませんが、私と兄が大切にしていた人生ゲームを入れる箱のフタは悲惨な状態になって、勝手口の外にあった金木犀の木のそばに放り投げられていたのでした😭

それから私は毎日、“いい匂いのするキンモクセイの木を見るふりをしながら勝手口にまわり、その可哀そうな姿になった箱のフタを観察していました。

しかし、その嘔吐物まみれのフタは、何日経っても、何週間たっても、何ヶ月経っても、ずーーっと同じ場所に放り投げられたままでした。
(なぜに?母がそれをゴミに出さなかったのか??今でも私にはわかりません)

風雨にさらされ、嘔吐物は土に還り、溶けたようにふやけた姿になった可哀そうな人生ゲームの箱のフタだけがいつまでもそこに残っていました。

気が付くとその頃には「金木犀のいい匂い」がしない季節へと変わっていました。

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